スイスの音楽教育事情からみえるもの


今から、100年前にエミール・ジャック=ダルクローズ によって考案された総合音楽教育法である「リトミック」はスイスのジュネーブに本拠地があります。

今や金融大国スイス連邦では「音楽家」を職業とする人は多くはありません。
なぜなら、他に職業を持ちながら、演奏活動も行っているケースが多すぎて「プロ」と「アマチュア」の区別が難しいからなのです。
スイス人の5人に1人は生涯の趣味として「自分の楽器」を見つけ、演奏技術を習得し、人生の一部として音楽をこよなく愛し、3人に2人が、定期的にコンサートへ通い音楽を楽しんでいます。

では、一体どのような「音楽教育」が行われているのでしょうか?
スイスでは、一部の幼稚園と小学1.2年生までリトミックのような授業を受け、3年生からは担任の先生と歌を歌う程度なのです。(これは意外でした!)
一方、日本の小学校の音楽課程は、楽譜を読めるようにする。ピアニカやリコーダーを習得する、作曲家の名前や代表作を教える。と盛りだくさんです。

また、日本では楽器習得の習い事としてダントツに「ピアノ」が一般的ですが、これもスイスでは違います。公立学校の放課後の教室などを使った、公立の音楽教室が一般的で、しかも楽器も手軽にレンタルできるシステムがあるので、特に弦楽器はほとんどの子供達がレンタル楽器で練習するのが当たり前です。ピアノに限らず、ギター、ヴァイオリン、ホルン、トランペットと実に様々なのです。

さらに、驚くことにひとつの楽器に執着することなく、自分に合った楽器へと複数乗り換えながら音楽を続けることです。
こうして、出会った「自分の楽器」を小学校卒業後ギムナジウム(中高一貫学校)に進学してからは学校で個人レッスンを受けることができるのです。そのレッスンは、そのままコンセルヴァトワール(公立音楽学校)へ入る子どももいるほどレベルが高いものなのです。

スイスの音楽教育は「人格形成にポジティブな影響を与え、協調性や、達成感、忍耐力、構築的な思考力を培うもの」として、楽器を習得することは人生を前向きに生きるツールをいう結論にたどり着いたのです。

それこそが、100年前にリトミックの創始者であるダルクローズ が願って止まなかったことに違いありません。
「音楽を職業とする」というよりも、「音楽で学んだ人間力で人生を豊かにする」こと。それを感覚が鋭い幼児期から楽しく学べるのがリトミックなのです。
ぜひ、体験レッスンへ遊びにいらしてみてくださいね♪

\この記事をシェアする/

Share on facebook
Share on twitter
Share on email